臨床の話

臨床で経験した骨折症例を紹介①トウ骨遠位端骨折編

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こんにちは! ささです。

今回は私が経験した骨折症例(少し改良してます)を、固定の仕方や固定変更のタイミングなどと

骨折を疑ったポイントなど臨床の話をしたいと思います。

 

 

 

①問診

年齢性別:70代女性

主訴:右手が痛くて動かせない 腫れている

受傷機転:昨日、家の中でつまづき前方に転倒し右手に全体重がかかった。(背屈強制)

現病歴: 骨粗鬆症

既往歴: 特になし

 

②視診

手背から前腕遠位に腫脹あり

外観上の変形は見られない

顔色などにも異常なし

 

③触診

圧痛:トウ骨遠位端部に限局的圧痛あり

叩打痛:あり

疼痛部の変形は感じられない

 

 

④診断名

右トウ骨遠位端骨折 (転位なし)

 

 

まず受傷機転と、主訴でトウ骨遠位端を疑った人が多かったと思う。

今回は特にイレギュラーもないトウ骨遠位端骨折の、固定や経過について話したい。

 

 

⑤初診時の固定

今回はトウ骨遠位端骨折の転位なしであった。

教科書的には、MP関節手前~上腕中央までっていう感じであろうが

 

画像上と経験的に、ここから転位することは考えにくかったので

肘関節はフリーの、MP関節手前~前腕近位までの掌側プライトン固定をした。

固定肢位は転位がなかったので中間位または軽度屈曲位にした。

そして背側には厚紙を手背~前腕中央まであてた。

三角巾はしていない。

 

 

※固定時の注意点

固定時にはMP関節が固定具に当たって動かしにくくないか確認する。

トウ骨遠位端など手関節周囲の骨折のときは手指に浮腫が出やすく

その影響で各関節が動かしにくくなる。

PIP関節、DIP関節は固定具をつけていても比較的動かす傾向にあるが

MP関節は固定具があたりやすく、うごかせなかったりしやすいので注意が必要だ。

MP関節の伸展拘縮を作ってしまうと、なかなか屈曲を獲得することが難しい。らしい。

(私はMPの拘縮を作ったことが無いので味わったことは無いが。。)

 

 

 

⑥固定変更のタイミング

基本的には、固定を変える場合は固定を軽くするという事だが

なかには、レントゲンでみて少し再転位などがあって固定の仕方を変える場合もある

今回はどのタイミングで固定を軽くするか。を紹介する。

 

今回の固定で、固定を軽くするなら

厚紙をはずす、プライトンを前腕中央まで短くするのがあると思う。

 

まず画像上で仮骨硬化がみられていれば軽くして良いと思うが

 

私は多くの基準を週数と圧痛でみていた。

だいたい3週から4週で圧痛が、左右比べてほぼ変わらなければ固定を軽くして

プライトン短めで巻き込んだり、なかには4週で綿包帯のみなどにすることもあった。

 

 

今回は骨粗もあったので4週目にプライトン巻き込みに変えて

5週目に綿包帯のみにした。

6週目には転位もなく骨癒合が確認されたため固定を除去した。

 

⑦リハビリについて

 

まず固定期間中にもリハビリを行った。

特に受傷から2週くらいまでは、手指の腫脹対策のため

手指遠位部の軽いマッサージや、MP関節から動かす練習をさせていた。

 

結構多くの人はMP関節を動かすことが苦手で

指を自宅で曲げ伸ばししてくださいというだけではMP関節は動いてこないので

しっかり指導することが大事。

もちろん直後の痛み強いときは行わない。

 

 

固定除去後は

手関節を中心に運動制限がでる。(まあ固定してたからね)

しかし私の経験上、手関節の制限はマッサージとかモビとか行っていれば改善される印象が強い

 

前腕の回内外運動の際に、トウ骨の中央部を把持して

回内外に合わせてトウ骨を誘導してあげると

回内外の動きもでやすい。

 

 

リハ中によくみるのは、回外時の尺側部痛だった

この人もでていたが

まずは、回内筋の緊張緩和を行い回外の誘導しながらの自動運動

それでも痛みが残る場合は

尺側手根伸筋をよくほぐしたり、ストレッチして痛みを取った。

 

⑧まとめ

 

患者一人ひとり違うので、今回の情報が全員に当てはまるわけではないことは

みんな知っているだろうが

参考になればと思い紹介させていただいた。

 

もしレントゲンがなかった場合

骨折を見分ける基準は何かと考えてみたが

 

叩打痛や限局的な圧痛、さらに内出血や受傷後早い段階での強い腫脹などがあれば

骨折を疑うだろう。

 

もちろん受傷機転も大事。

 

 

自分が整骨院などで働いていて、例えば手をついて転んだ人が来た場合

これが捻挫なのか骨折なのか

自分の中で判断する基準は持っていたほうがよいと私は思う。

そのためには多くの骨折に触れられる病院やゲレンデの接骨院での

勤務などがおすすめだ。

 

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